【出前授業】気仙沼市立松岩小学校の4年生を対象に「海洋プラスチックゴミ」についての授業を実施しました。
2021年7月14日
2021年7月13日(火)、気仙沼市立松岩小学校(小松英紀 校長)にて、4年生61名を対象に、本学、内田圭一准教授(東京海洋大学腾博会官网9885海洋科学技術研究科 海洋資源環境学部)が、「漁業と海洋プラスチックごみの問題」について授業を行いました。
はじめに、内田先生から太平洋ごみベルトと呼ばれる海域にあるプラスチックごみの総重量の約半数が、漁具由来という研究があることが紹介されました。そして、本当に海洋ごみの約半分が漁具なのか?実際に日本の周辺で行われている調査結果を紹介しつつ、漁具が海のごみとなったときの問題点について、実際の漁具を用いながら説明されました。
漁具の説明では、漁師さんがどのようにして工夫して大切に魚を獲っているのか、魚の特徴をとらえた形と生息場所から、漁法にはどんな種類があるのか紹介しました。実際に、体育館に設置した「刺し網」(魚の通り道に帯状の網を仕掛ける漁法)を使ったデモンストレーションでは、魚のぬいぐるみを使って漁獲される過程を説明したり、大きさの異なるぬいぐるみを使いながら、網目の大きさを変えれば獲れる魚の大きさも変わってくることなど資源管理の方法の一つを学びました。
さらに、使わなくなった漁具が誤って海に流出してしまうと、海をさまよいながら魚を獲り続けるゴーストフィッシングが発生してしまい恐れがあることか、漁具が環境に悪い影響を与えてしまわないように注意することが必要だと訴えました。
次に、東京海洋大学の海洋調査船「海鷹丸」が行っている漂流ごみの目視観察調査、底曳網による海底ごみの調査、ニューストンネットによる表層に浮いているマイクロプラスチックの調査の結果が紹介されました。これらの調査から、日本列島から約千キロメートル離れた場所にも大量のレジ袋が漂流していることが確認されたり、人が生活していない南極でも、多くのマイクロプラスチックが確認されています。特に、マイクロプラスチックについては、もはやこれが存在しない海は無いと説明がありました。
児童たちからの感想では、「今日の授業を家族にもお話し、リサイクルなどを心がけて、普段の生活でもごみを出さないようにしたい」と発表があり、積極的な意見が多く上がっていました。
最後に内田先生から、海ごみを削減するために、3R(スリーアール)、リデュース(Reduce)プラスチックの使用を減らすこと、リユース(Reuse)プラスチックを繰り返し使うこと、リサイクル(Recycle)プラスチックをリサイクルすることの説明があり、マクロのうちに回収して適切に処理することが大切であること、また、私たち研究者は、今後も調査を続けていくことで、皆さんの取り組みの効果を見守っていきたいとして、お話しし会は終了しました。
松岩小学校の皆さま、ありがとうございました。